万の妖怪記

妖怪達の住む異世界に迷い込んでみました。

万の妖怪記

“初代” 万・妖怪記 第7話

初代妖怪漫画14

妖怪に取り憑かれたいきさつだず~

其の十四

「一か月前、俺は古文書に挟まってた地図の島を探し当ててな…」

 

変な葉っぱの妖怪になったキクはポツリと話し始めた。

キクはお宝ハンターの資料室で古文書を見つけこの三宝の一つがある場所を

突き止めたらしい…が

  

その場所はもはや誰もいない廃村で不気味な静けさが漂っていた

残された家を覗いてみるとテーブルの上に食事の用意をした痕跡が残っている

良く見れば皿や椀の中には黒ずんではいるが食べ物があったらしい…

服の入ったままのタンス、家財道具もそのまま

逃げたと言う感じは無い、一体何が起ったというのだろうか?

ここの村民達は全てを残したまま何処かに消えてしまったのだ

 

不気味に思いながらもお宝に手が届きそうなのでそちらに集中する事にした

草にまみれた村跡を越えると、赤い鳥居が見えて来る

ここが地図にあった宝の場所に違いない!

 

 

「島には昔、人が住んでたらしい村跡があって…その近くに古い社を見つけてよ」

 

社は古いながらも手入れが行き届いているようだった

ここはこの村の人々にとって大事な場所だったのだろう…

廃れていても威厳があった。

 

「扉を開けてみると中央に金と緑の翡翠で造られた凄えお宝が!!」

 

キクは三宝を見つけた時の事を思い出して悦った顔になった

その時の事を思い出すと胸が高鳴って興奮してくる!

興奮を抑えれずに何も考えず宝に近づいてしまった…

 

宝に触れる直前、ふと手が止まる

なんでこんな凄いお宝が社に無造作に置いてあるのだろうか…?

 

「怪しいと思ったがつい歓喜のあまり手に取っちまった」

 

思い出してもおぞましい…

宝を手に取った瞬間、体が動かなくなって重苦しくなった

目の前が暗くなって…………

 

「以来気ィ抜くとこのザマだ!!」

 

キクは青ざめて冷や汗がタラりと流れるのを感じた

其の十五

初代妖怪漫画15

「でも似合うぞ、その葉っぱ姿♥」

「うるせぇ!!」

 

ちゃちゃを入れるように栗吉がへらへら笑いながら煙管をふかした。

苛ついているキクをみて栗吉は何か重箱の様なモノをだしてくる

 

「まぁ、白仙シソの梅漬けでも食って元気出せ!!幸薄いキク坊」

「ありがとよ(# ゚Д゚)」

 

甘く漬けた良い香りの梅漬け

要するに “デザート” みたいなモノでただ栗吉が口寂しいので出して来ただけだった

ん…?白仙シソ!?

 

『…て、何ィ───!!?白仙シソ!!!』

 

何故かシソ如きの名前を聞いて大興奮したキクは “きゅ” っと

栗吉の手を思わず握る

 

「やだなお前ぇ…そんな…大胆な奴💛」

 

頬を染めながら何故か照れるモグラの妖怪

 

「キショっ!!!違ぇよバカ」

その光景にゾクリとしながらキクはシソに目をやった

 

白仙シソは妖怪の里にしか生えない幻のシソなのだ

「ピンク色の葉、この独特の形…古文書で見たのと同じだ!!」

 

何とも言えないかぐわしい香りが部屋中に漂う

「間違いねぇ!!伝説の三宝のひとつ “白仙シソ” 」

 

キクにはその重箱が宝箱のように見えた…次回へ続く!

ワシもそのシソ食べてぇだす~